■超適当にやってようぜ
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iPod

iPod、とりわけiPod Miniに関しては、俺にしては珍しく好意的です。デザインは言うに及ばず、あのサイズと容量のバランスというのは、萩原健太クラスの音楽マニアでもない限りとてもバランスのいいもののように思えます。
俺自身はすでに理想とするMP3プレーヤーを持っていること、バッテリーが内蔵なのでヘタってもアップル様に大金払って取り替えていただく必要がある、ってところがひっかかるので買いませんが、正直知人には勧めてもいいくらいの製品だと思います。

それにしても、あの製品の肝の部分である中身のHDDは日本メーカーが作っているのに、なぜその日本メーカーがあのような気のきいた製品が出せないのか。MP3プレーヤーなんて部品を組みたてるだけで大した技術もいらないわけで、あとは組み立ててデザインと名前つけて売るだけなのにそれだけのことがなぜ日本にはできないのか理解に苦しみます。デザインにしても日本人は決してデザインセンスがない訳でもなく、有名な工業デザイナーをかなり出している国なのに。(アップルに所属するデザイナーにも日本人がいたと思ったけど)

なんか東芝にしてもソニーにしてもHDDプレーヤー出してますが、上司にあれこれ言われないようにとがっているところを削っていったらああいう何の魅力もない製品になってしまったんだろうなといった感じで。センスのないえらい人に口を出させないような体制づくりってできないんだろうか。iPodも、もし日本メーカーの若い社員がまったく同じものを提案したとしても上の人があれこれケチをつけてつぶしてしまうんだろうに、そういうケチばかりつける人間に限ってこうやってiPodが流行ったら「とにかくあれをパクれ!」などと言いそうだな、と暗い気持ちになります。

で、iPodが流行ってホクホクなアップルですが、なんとなくこの成功がアップルにとって悪い影響を与えてしまうんじゃないかと危惧をしていたりして。というのは、この「ただMacを売っている会社でありません」なんつう物言いがちょっと気になってしまったわけです。曲解もいいところだと言われそうですが、このセリフを聞いて、
「こんな作るの簡単なものをデザインとブランドつけて出すだけでみんな喜んで買ってくれるんなら、苦労してOSとハードなんて作ることなんかなかったね。こういう作るのが簡単なものにブランド価値を与える路線で次から行こうかな〜」
なんて内心の声が俺には聞こえてきてしまったわけで。

正直あんなただのMP3プレーヤーなんて適当に日本や台湾の部品を買ってきて組み立てればいいだけの話で、あとはデザインとプロモーションをどう凝るか。今までのパソコンのOSとハードを全部自社開発する苦労に比べれば、開発費用なんてあってないようなもの。たぶんアップルの人にしてみれば開発的には子供だましみたいなものでしょう。それであれだけ儲かってしまった。

なんかあたかも毎週苦労してアイディアを出しつつ安いギャラと厳しい締め切りに追われて漫画を書いていた売れっ子漫画家が、ページ数やアイディアのいらないような、ちょっとイラスト一枚書くとかちょちょっと挿し絵入りのエッセイ書いただけで大金をもらってしまってそれに味をしめてしまい、まともな漫画を書けなくなってしまうように、アップルも、もうOSとか作るの馬鹿らしくなるんじゃないかなあという予感が。。。iPodもWindowsに対応したからこそ成功したわけであって、シェアの低いプラットフォームを苦労して維持する意味づけがなくなってしまうんでは。

そのうちグッチとかその手のブランドメーカーのようになってしまうんじゃないかと。あの手のブランドメーカーも、特に珍しくもないバッグやらなんやら(よく知らない)を、デザインしてロゴをつけるだけでバカみたいな値段つけて売ってるわけで、特に世の中にとって新しいものなんて出していない。今回のiPodも同じ手法(HDD搭載MP3プレーヤーなんてもともとあった)でうまくいってしまった以上、同じようにその辺に転がっているものにブランドロゴだけつけて売るような商法にシフトしてしまうんじゃないだろうかと。で、それがまたうまくいけばいいんだけど、見事にこけてしまうような予感が。。。

にしても日本メーカーももっとブランディングについて研究してもいいんでは。。しかしなにか面白そうな企画やれっていわれて日本メーカーがやることって
糸井重里プロデュース
とか
秋元康プロデュース
とか言い出しそうで、死ねって感じだ。あれだけはやめろ。
2004年07月25日04時00分

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