美談

新大久保の例の事件、マスコミで妙に美談になっていて気持ち悪いね。とりあえず俺が人の親だったらあの事件をふまえて、
「線路に落ちたやつがいても絶対に助けるな」
って教えるけどね。酔って線路に落ちるようなやつに自分の命を賭けてまで助けるほどの価値があるとは思えないし、たった一人を救おうとして結局プラス二人も死んでしまうんじゃバランスがとれないでしょう。

今回のこの救出行動は、利他的行動というよりは単純に危機を予知する能力が欠如していたんではないかと思う。例えば誰かが目の前で谷底に落ちた。あなたはそれを心配して谷底に一緒に飛び込みますか?しませんよね。相手を助けられないし、自分も死ぬから。結局今回の結果はそれと同じで、その結果を予知できなかったという意味で「危機予知能力に欠けていた」だけとしか思えない。判断ミスですよ。

そういや少し前に、自分と同じアパートで女性から金を脅し取ってから逃げた強盗をわざわざ追っかけて、結局刺されて死んだやつがいた。これもワイドショーで美談として扱われていたが、なんだか腹がたったな。
確か犯人がとったお金はわずか数万円だったと思う。別にそれ以上被害者に危害を加えようとしていたわけでもなし、そのまま逃がしておけばいいものをわざわざ追跡して力づくで取り押さえようとしたらそりゃあ犯人も怖くなって刺すだろう。結局本人は刺されて命を失い、犯人はたった数万円で殺人犯になってしまった。犯人の刑は重くなり、本人の家族も悲しむ。誰も得をしていない。これなんて明らかに犬死にだし、犯人の側にしてみればむしろそれを超えて罪作りなんじゃないかと思う。

つうかねえ、結局人間は死んだら終わりですよ。死んだら負け。どんなに素晴らしい死人よりも、生きているクズの方が価値がある。それだけ「生」というのはパワフルで貴重なことなんですよ。いくら幽霊が出てきて「うらめしやー」って言ったところで、
「俺の方が生きているから偉いんだ!」
とでも言ってやればいいんですよ。そもそもお前の恨みなんか知るか!俺の方が生きていていろいろ大変だけどがんばってるんだよ!死人はすっこんでろ!と言いたい。

残念ながらまだ言う機会には恵まれてないんですが。


2001年01月30日09時48分


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